植木の剪定

剪定はなぜ必要?

庭木の剪定

剪定(せんてい)とは庭木や植木の枝を切って風通しを良くして涼しくしてあげたり、誰から見ても美しい姿に変貌させるための作業です。ただ見た目を整えるだけのカットだと思っている無知な方もいらっしゃいますが、健康な庭木のためにはかなり重要な欠かせないことなのです。風通しや日当たりが良くなるので成長もよくなりますし、不要そうな部分の枝気を切り落とすことで養分を必要な部分に効率良く行き渡らせることができます。柿やミカン、リンゴのようにおいしい果実を実らす樹木なら、無造作に育てているだけの木よりも大きくて立派なフルーツの収穫が見込まれます。日光を存分に浴びることで病気にも強くなりますし、害虫の繁殖も少なめに抑える効果もあるので定期的にやったほうがいいでしょう。特に生垣の剪定は四角く形を整えたり丸っぽい形状にするだけの理由で剪定をしていると思っている素人さんもいますが、風通しのことも考えて揃えるようにハサミで枝葉をきれいにカットしているのです。たしかにビジュアル的な理由もありますが健康第一なわけです。生垣サイズではなく大きな庭木でも同じで、枝葉を美しく整えるだけではなく丈夫に育つためにも剪定は欠かせません。見た目をより上品にするため、エレガントな庭木に見せたいだけなら素人の作業でもそこそこ形にはなるでしょう。でも庭木の成長のことなどトータルで判断した場合、植木屋さんの剪定テクニックには我々では足元にも遠く及びません。下手するとその時はアバンギャルトで近所の年季の入った奥さんの評判も上々の剪定ができたとしても、数ヵ月後には弱々しい幹になりやがては枯れてしまう、そんな樹木の成長を邪魔するような切り方をしてしまうことも考えられます。なので「一度自分で庭仕事をやってみたかったんだ。高いところは苦手だから低い部分の枝だけ切ってみようかな」と我侭な剪定をするのはいけないことですし、中途半端にやるくらいなら植木屋さんに任せましょう。自分でやるのならどんな理由で行うのか、樹木のためにはどこをカットするのがいいのかなどしっかり調べて間違った剪定をしない自信がついてからにしましょう。お庭の植木と長いお付き合いをする覚悟があるなら何冊かそれ関連の書籍を読んで、それでもわからないから誰かに教えてもらいたい箇所がでてきたらインターネットで調べて、まだわからなければ植木屋さんに尋ねる、そうすれば何年か年月が経過して同じ季節を数回繰り返すうちに庭師に必要な知識と技術が自分の物になるでしょう。簡単そうに先っぽをチョキチョキやっているだけに見える剪定ですが、極めようと思うとなかなかに奥深いものなのです。また剪定の次の段階には伐採もあります。これはあまりに大きく育ちすぎて隣家に迷惑がかかるから、もう枯れそうな様子だからといった場合に用いられる方法で、樹木を切り倒すことです。昔なら与作のように「ヘイヘイホー」と掛け声をあげて斧を使って行ったでしょうが、今ではお庭で斧を振りかざす伐採はあまりお目にかかれません。なんにせよ伐採は植木屋さんに依頼したほうが安全で確実なので、体育会系出身で力持ちだとしても無理なさらずにプロに任せましょう。必然的に木が倒れる結果になるので深く考えずに実行すると大惨事になりかねません。ちなみに伐採は樹木の根元近くを切断するのですが、切り株はそのまま残ります。切り株を残したくないのなら抜根という作業も必要になるので、もし誰かに頼むのであれば「この木を伐採してくださいね」だけではなく「庭園に枯れてしまった樹木があるから伐採してください、そのあとは平らにしたいから抜根も合わせてお願いしま」と注文するのを忘れてはいけません。